第二十三回「はたらく人の創造性コンソーシアム」が8月30日、オンラインで開催され、パソナ リンクワークスタイル推進統括 ゼネラルエキスパートの湯田健一郎さん、ザイマックス不動産総合研究所 主任研究員の石崎真弓さんが講演した。湯田さんは「パソナ・シャドーキャビネット」などの創造性を高める同社の取り組みについて、石崎さんは同社の「働き方に関するリサーチ」に基づく働き方のトレンドについてそれぞれ紹介した。
〔講演要旨〕
パソナ リンクワークスタイル推進統括 ゼネラルエキスパート
湯田 健一郎さん
●会社や部署・地域の垣根を越えたメンバーで構成される「パソナ・シャドーキャビネット」という組織がある。「シャドーキャビネット(影の内閣)」とはイギリスなどで運用されており、政権交代にいつでも対応できるように、現内閣と平行する形で運営される組織である。パソナにおける「シャドーキャビネット」は、政府や行政と同じ目線で社会の問題点を議論し、企業の立場からソリューションを社会に提言することを目的としている。
●実際の内閣のように「雇用創造省」「人材育成省」といった部署が設置されており、それぞれのテーマに沿った社会問題の発見、議論、解決策提言を行っている。提言される社会問題解決の施策案は法案の形で提案され、幹部役員と外部アドバイザーから構成される「国会」にて審議される。審議の結果可決された法案は、新しい仕組みづくりや事業立ち上げというかたちで実現されていく。
●各テーマの法案化を目指すなかで、そのテーマに明るい専門家・著名人を招いた講義が開催されるため、新たな視点や知識を吸収することができる。「パソナ・シャドーキャビネット」は誰もが参加しやすい、新しいコトを作っていく機会を提供している。また、施策実現に向かって多くの人を巻き込んで進めて行く必要があるため、未来のリーダー候補育成にも貢献している。
◆ザイマックス不動産総合研究所 主任研究員 石崎 真弓さん
●ハイブリッドワークは定着したと感じるが、働き手の考えや企業の施策によって、オフィスへの出社頻度は大きく変わる。弊社独自の調査で、オフィスに出社する企業がやや増えた。しかし、出社時のオフィス温度調整、会議室やリモート会議室(個室)の不足など課題が目立つ。企業は社員に出社を求めるが、出社時の運用が追い付いていない。
●最新のオフィスビルは、入居する企業が必要な会議室をすべて持つ必要がなく、オフィス側が共用スペース(会議室、個室会議室、サウナ、ジム、ラウンジなど)を準備しているケースが増えている。弊社グループ運営のサテライトオフィス「ZXY(ジザイ)」も、対面会議の需要増に応えて、一人用個室だけでなく、複数人で使うミーティングスペースや地方都市(ターミナル駅など)向けのサービスも強化している。
●今後、オフィスやサテライトオフィスは、企業の都合ではなく、ユーザーである働き手を中心にした設計が望まれるのではないか。